日鉱記念館（JX金属グループ）

入場・駐車場無料で気軽に見学できる

日鉱記念館は、JX金属グループ創業80周年を記念して日立鉱山跡地に建てられた資料館・博物館です。常磐自動車道の日立中央インターから車で10分というアクセスのしやすい場所に位置しています。

日鉱記念館内では、JX金属グループや創業者の久原房之助氏、日立鉱山の歴史を中心に展示しています。展示内容については、小学校入学前のお子様にはちょっと難しいところがありますので、ママ・パパにサポートしてもらいながら見学するのが良いと思います。

子供に人気のコーナーとしては、日立鉱山の坑内の様子を再現した模擬坑道や、鉱石を実際に触って体感できる「鉱石実感コーナー」などもあります。

入場無料・駐車場無料で気軽に訪れることができる施設としておすすめです。また、日鉱記念館の来館記念としてお土産をもらえるところも嬉しいポイント。

日鉱記念館の敷地内には、メインの記念館本館と、鉱山資料館、旧久原本部、第一竪坑、第十一竪坑、電気機関車（日立製作所製）、塵外堂（千年杉で建設された持仏堂）などが展示されています。

日鉱記念館と同じように、企業の歴史が学べる他の博物館・資料館、科学館としては、郵政博物館や、ガスの科学館 がすてなーに、東芝未来科学館などがおすすめです。

日立鉱山と関連企業の歴史を知ろう

日鉱記念館本館の1階展示室です。こちらでは、まず最初に創業者の久原房之助とJX金属グループの歴史から始まります。日立鉱山の鉱石の実物展示などもあります。（鉱石はガラスケースに入っているのでさわれません）

そして、日立製作所の誕生と独立、日産コンツェルンの誕生に到るまでの歴史についてのパネル展示や、主要な関連企業の系譜略図などの展示を行っています。パネル展示の内容は、漢字が多くふりがながない箇所も多いので、小学校低学年生は、ママ・パパと一緒に読んでいくといいかもしれません。

写真の中央にあるのは、日立鉱山の坑道の透視図になりますが、坑道の総延長は約700kmで、日立市から大阪府までの距離にあたるというから、その規模の大きさに驚かされます。

薄暗い坑道は本物の鉱山にいるかのよう

こちらは、同じく記念館本館1階にある模擬坑道です。照明も薄暗く、本物の坑道にいるかのような雰囲気を味わえます。さっきまでの展示室に比べて、急に暗くなりますので、小さな子供がケガをしないようにゆっくり見学しましょう。

当時、近代化が進む以前の鉱山で採掘する様子や、採掘した鉱石を貨車に載せて地上に運び出す様子を人形や実物機器を使って再現しています。

特に、本物の鉱石を実際に手に持って、重さや感触を体感する「鉱石実感コーナー」は、子供でも楽しめる展示コーナーとして人気です。模擬坑道の中央に展示しています。

本物の掘削機や当時の写真・映像を紹介

記念館本館1階の残りのエリアは、日立鉱山の発展と、鉱山町のくらしについての展示となっています。

今までの切頭（つち）とたがねでの手掘り作業の時代から、ダイアモンド試錐機（しすいき）を使った採掘の時代へと変わる様子を展示しています。実際に使用したダイアモンド試錐機や、当時の採掘の写真なども展示していて、当時の様子がよく分かります。

鉱山町のくらしコーナーでは、明治末期の日立鉱山の発展とともに人々が移住してくる様子や、大正初期の鉱山電車と通勤の様子、昭和40年代の山神祭の様子などをパネル展示や、映像展示で紹介しています。

また、1953年から1965年まで本山劇場で使用された35mmトーキー映写機の実物展示などもあります（写真）。本山劇場は、山の中腹部にあった木造3階建ての映画館で、800人ほどが収容可能だったそうです。テレビの普及で客足が遠のき、1965年に廃館となりました。

記念館本館2階では、煙害問題の解決のために建設された「日立の大煙突」についてのパネル・映像展示や、ＪＸ金属グループの現在の企業活動を映像とパネルで紹介しています。

迫力の機械類を展示している鉱山資料館

第一駐車場の近く、日鉱記念館本館から少し離れた場所にあるのが、鉱山資料館。こちらの建物は、第二次大戦中の1944年に建てられた木造のコンプレッサー室をそのまま展示室として使用しています。展示室内はとても広々としていて、当時使っていた機械類がダイナミックに展示されています。

展示内容はやや難しいのですが、迫力のある展示物の数々に、子供達も興味を持って見学している様子がみられます。

展示物としては、機械類の動力源はとなる450馬力の空気圧縮機（コンプレッサー）や、159台の削岩機、竪坑で人や物の昇降に使われた巻揚機のギヤーおよび深度計など。

世界各地の鉱山から集めた、約400種類の鉱石・岩石の展示などもあります。