シャトー・メルシャン ワイン資料館

日本最古の木造ワイン醸造所とその歴史

山梨県甲州市にある「シャトー・メルシャンワイン資料館」は、日本で現存する最古の木造ワイン醸造所を活用した資料館です。この建物は1904年に建てられ、「宮崎第二醸造所」として使用されていましたが、現在では日本のワイン文化とその歴史を紹介する重要な施設となっています。

資料館は2020年に改修工事を行い、展示内容を一新し、バイリンガル表記で公開されました。また、同年には文化庁から「日本遺産」に認定された「日本ワイン140年史〜国産ブドウで醸造する和文化の結晶～」の構成文化財の一つとなりました。この資料館には、メルシャン株式会社の歴史や、日本ワインの発展を支えた先人たちの軌跡が紹介されています。

建物は厚い漆喰の土壁となまこ壁で構成されており、外観は伝統的な日本の蔵造りですが、内部には西洋式のトラスが使われているため、和洋折衷の建築様式が特徴的です。この建物は「山梨県指定有形文化財」や「経済産業省 近代化産業遺産」にも指定されています。

資料館内には、明治時代に実際に使用されていた醸造器具が展示されており、日本ワインの誕生からその発展に至るまでの歴史を学ぶことができます。1877年に設立された「大日本山梨葡萄会社」は、日本で初めてのワインメーカーであり、メルシャン株式会社の前身の一つです。当時の山梨県令（知事）藤村紫朗の後援と地域の有力者の支援により設立されました。資料館には、明治時代のワイン造りの様子を伝える貴重な資料や道具が多数展示されています。

現在も資料館の地下には19の樽が置かれ、約7万本分のワインが貯蔵されています。訪れる人々は、この歴史ある場所で日本ワインの息吹を感じることができます。

隣接する「ワインギャラリー」では、シャトー・メルシャンシリーズを中心に、常時20種類以上のグラスワインが提供されています。訪問者は、ワイナリースタッフとの会話を楽しみながら、さまざまなワインを味わうことができます。

「シャトー・メルシャンワイン資料館」は、日本のワイン文化を深く理解するための貴重な場所です。日本最古の木造ワイン醸造所としての歴史や、ワイン造りにかけた人々の情熱を感じることができるこの資料館は、日本の文化財としてだけでなく、ワイン愛好者にとっても魅力的な場所なんです。

近くには「宮光園」もあり、こちらも日本ワインの歴史を学べるスポットです。両方を訪れることで、より深く日本のワイン文化に触れることができるでしょう。ワイン造りの歴史や当時の技術を知ることで、現代のワインがどのように進化してきたのかを実感できます。

日本ワインの歴史とその文化を学びながら、実際にワインを味わうことができる「シャトー・メルシャンワイン資料館」。ぜひ、訪れてみてください。