上問屋史料館

歴史が息づく上問屋資料館の魅力

上問屋資料館は、江戸時代の宿場町「奈良井宿」に関する貴重な資料や道具を展示している施設です。奈良井宿は中山道の宿場町として、江戸時代から続く歴史を持ち、その風情を今も残しています。この資料館は、古文書、陶器、漆器など約400点を展示しており、国の重要文化財にも指定されているんです。

奈良井宿では、幕府が定めた宿駅制度という仕組みがありました。これは、幕府の役人や大名、旅人たちのために、一定数の馬や人足を常備しておく制度です。この制度を管理していたのが「問屋」と呼ばれる役職でした。上問屋は、その中でも奈良井宿の問屋を務め、江戸時代初期から明治維新まで約270年間、宿場の運営を担当していたんです。

上問屋資料館では、この長い歴史の中で使用されていた道具や文書が展示されています。特に注目すべきは、古文書が約100点、陶器や漆器が約300点も展示されていることです。これらの展示品は、江戸時代の日常生活や宿場の運営の様子を知る手がかりとなります。また、明治天皇が木曽路を訪れた際に、この上問屋で昼食を取られたことでも知られています。

この資料館は、1971年に中山道奈良井の問屋兼庄屋であった建物の一部を復元して開館しました。平成19年12月には、国の重要文化財に指定され、ますます注目を集めています。

奈良井宿は、江戸時代だけでなく鎌倉時代から続く宿場町としても有名で、「奈良井千軒」と呼ばれるほど多くの家が立ち並んでいました。現在でもその歴史的な景観を保存しており、昭和53年には国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されました。

上問屋資料館では、昔の宿場町の雰囲気を感じながら、江戸時代の生活や文化に触れることができます。子供たちも、当時の道具や資料を見ながら楽しく学べる場所となっています。ぜひ、家族で訪れてみてください。