旧司祭館

松本市旧司祭館の魅力

松本市旧司祭館は、松本城の北東に位置し、平成2年から3年にかけて現在の場所に移築されました。もともとは松本城の北側、地蔵清水にあったこの建物は、街路拡幅事業の影響で移転が必要になり、その後復元されました。平成6年には松本市の重要文化財に指定され、平成17年には旧松本カトリック教会司祭館として県宝にも認定されたんです。

この旧司祭館の建物は、明治22年にフランス人の神父、オーギュスタン・クレマンによって建てられました。彼はこの建物を松本カトリック教会の宣教師たちの住居として使用しました。建物の外壁には、アメリカの開拓時代の船大工の技法が使われており、アーリー・アメリカン様式の特徴が見られます。このような建築様式は、現在では非常に珍しいものです。

建物の構造は、延床面積が202.73平方メートルで、間口と奥行きは共に10メートルです。1階には玄関、事務室、応接室、食堂、台所、風呂、ベランダがあり、2階には個室が4部屋とベランダがあります。また、床下には物置も備えられています。このように、西洋館としての特徴を持ちながらも、実用的な設計がなされています。

旧司祭館の内部は、各部屋に暖炉が設置されており、1階と2階には広々としたベランダがあります。これらの暖炉は実際に使えるように復元されており、訪れる人々に当時の生活を感じさせる工夫がされています。また、建物内では撮影も可能で、記念写真を撮るのにも人気のスポットなんです。

この旧司祭館は、松本市への寄付によって保存され、平成元年に現在の場所に移転されました。その際には、キッセイ薬品工業株式会社から6000万円の寄付があり、この資金が移転と復元の重要な役割を果たしました。現在では、入場料は無料で、多くの人々が訪れる観光名所となっています。

旧司祭館は、長野県内で現存する最古の司祭館であり、その歴史的価値は非常に高いものです。この建物が持つ歴史と文化を知ることは、訪れる人々にとって貴重な体験となるでしょう。特に、小学生の皆さんにとっては、教科書で学ぶ歴史とはまた違った視点から、過去の生活や文化を感じる良い機会になるはずです。

最後に、旧司祭館はその美しい外観と内部の装飾だけでなく、その背後にある歴史や人々の物語を知ることで、さらにその魅力が深まる場所です。訪れる際には、ぜひその点にも注目してみてください。