横浜市三殿台考古館（三殿台遺跡）

子供達が楽しめるここだけのイベントも

横浜市三殿台考古館は横浜市磯子区の標高55メートルの小高い丘の上に位置し、縄文時代・弥生時代・古墳時代の居住跡を展示している施設です。また、事務所棟には、土器や石器、貝塚の地層を再現した標本などが展示されています。

この施設の最大の難関は、場所が分かりづらく行きづらいことなんです。横浜市三殿台考古館へ向かうには、住宅街の中の入り組んだ細い道を通って行く必要があります。しかも、アップダウンも多いため、大型のミニバンクラスの車はちょっとだけ苦労するかもしれません。

また、横浜市三殿台考古館の駐車場も5台停められるスペースはあるのですが、駐車スペースが明確に区切られているわけではないので、停め方や車の大きさによっては5台は厳しいかもしれません。そういった理由から、大型ミニバンクラスの車をお持ちの方は、電車を使って、京急線「蒔田駅」または「弘明寺駅」から徒歩で向かうことをオススメします。

横浜市三殿台考古館では、魅力的なイベントを数多く開催しています。主なイベントとしては、火おこし体験教室や、土器作り教室、古代人体験教室、勾玉作り体験教室など、子供たちが楽しめるものがたくさん。毎月何かしらのイベントを開催しています。

ちょっと変わったイベントとしては、「キャンプ in 三殿台」というものがあります。遺跡の中にテントを張って1泊するイベント。夏の時期に開催していますよ。

横浜市三殿台考古館と同じように、遺跡や居住跡を見学できるお出かけスポットとしては、登呂遺跡公園などがオススメです。

実際に竪穴式住居に入ってみよう

横浜市三殿台考古館には、縄文時代、弥生時代、古墳時代の３つの時代の復元住居が各1棟ずつ展示されています。

写真は、古墳時代に作られた竪穴式住居を再現したものです。実際に住居の中に入って見学することができます。住居が老朽化しているものもあり、危険防止のため、もしくは修復のため、中に入れない場合もありますのでご注意ください。

縄文時代、弥生時代、古墳時代のいずれも竪穴式住居で、あまり大きな違いがないので、全ての住居に入れなくても、3棟のうちどちらか1つの内部を見学できれば十分ではないかと思います。

住居の内部は、土の床に、柱とカマドだけのシンプルなもの。しかしこのカマドも、土器を固定するためのちょっとした仕掛けがあったりと、古代人の工夫を垣間見ることもできるんです。

実際の居住跡と言ったら、柱の跡（穴）やカマドの跡ぐらいなので、このように復元住居があると、子供たちもイメージしやすいのではないでしょうか。

ここ三殿台遺跡エリアには、約4,500年前の縄文時代中期から、約2,000年前の弥生時代を経て、約1,400年前の古墳時代後期にかけて、合計270軒ほどの竪穴式住居跡が見つかっています。

当時のこの周辺は、現在とは異なり、海面の上昇にともなって海水がすぐ近くまで来ていました。魚介類の採取にも適した立地だったのではないかと思われます。その証拠に、この周辺の集落のまわりには貝塚跡も多く見つかっていて、様々な魚の骨や貝殻が捨てられていました。

いつの時代の住居跡かな？

三殿台遺跡では、写真のようにいたるところに居住跡が見つかっています。

写真のように、クイで囲まれているところが居住跡になりますが、いつの時代の住居なのかがすぐにわかるように、クイの色で見分けることができるんです。

• 赤いクイ　：縄文時代
• 茶色のクイ　：弥生時代
• 黄土色のクイ　：古墳時代

また、敷地が重なっているところも、クイの間隔が広い方が古い時代に作られたもので、クイの間隔が狭い方が新しい時代に作られたというように、見て分かるようになっています。

約270軒もの住居跡ですから、およそ3,000年の間に、作っては壊され、作っては壊されして、何世代にも渡って住み続けてきた土地であるということがわかると思います。

また、見つかったのは、住居だけではありません。お墓もいくつか見つかっています。お墓は、住居とは形が異なり、住居跡のような丸や四角ではなく、長細い形をしています。ぜひ見つけてみてくださいね。

発掘された状態の居住跡を見てみよう

こちらは、竪穴住居跡保護棟です。

先ほどの住居跡は、発掘された後に埋め戻され、クイで位置と時代がわかるように示されていますが、この建物の中にある竪穴式住居跡は、発掘当時の姿を崩さないよう科学的な処理を施して保護されています。

中に入って見学することはできませんが、ガラス越しに中を見ることができます。ガラスが少し高い位置にあるのですが、子供が見やすいように、台も設置されているところが嬉しいポイントです。

ここには6棟ほどの住居跡が展示されていますが、展示している住居の中には、火災にあって床が焼けた跡が残っていたり、貯蔵穴があったり、炉から大量の木炭片が見つかったりして、当時の状況を伺うことができるのです。

スタッフの解説は子供にも分かり易い

横浜市三殿台考古館の入り口付近にある事務所棟では、土器や石器、貝塚の地層を再現した標本などが展示されています。

それほど数は多く展示されていませんが、縄文時代、弥生時代、古墳時代の各時代に分かれて使用していた生活用具を説明と合わせて展示してあり、子供が見ても分かりやすいようになっています。

写真に映っている壁にかかった茶色のものは、貝塚の地層を再現した標本です。貝塚から出土された貝殻や魚の骨などを、実際の地層を再現するかたちで壁に貼り付けています。

実際の貝塚の発掘跡は、横浜市三殿台考古館の門を出て、道を挟んだところにありますので、帰りがけにでも寄ってみると良いと思います。

横浜市三殿台考古館の魅力の1つに、スタッフの方の丁寧な解説が挙げられます。子供にもとても分かりやすく説明してくれますので、学校では教えてくれないようなことも詳しく学ぶことができちゃいます。ぜひ、わからないことがあったら、何でも聞いてみてくださいね。

子供とふらっと立ち寄りたい施設です

横浜市三殿台考古館の施設は以上になります。

大きな施設ではありませんので、どこかのお出かけの帰りにふらっと立ち寄ってみるのも良いですし、イベントを目当てに訪れるのも良いと思います。

ちなみに、こちらの写真は、手作りのイスとテーブルです。ちょっと一息するのにちょうどいいんです。こういった手作りの感じが色々な箇所にあるところも、ここ横浜市三殿台考古館の魅力なのかもしれません。