大沢の里水車経営農家

160年間も活躍した峯岸家の新車

東京都三鷹市にある「大沢の里水車経営農家」では、江戸時代に作られた大型水車（新車）の展示や、母屋・カッテ、水車の民具が保管されている土蔵や物置などを公開しています。

敷地を含む全体が東京都指定有形民俗文化財となっています。

新車と呼ばれる峯岸家の水車は、1808年（文化5年）頃に作られ、製粉・精米用の水車として約160年間も働き続けていました。1900年頃の武蔵野の周辺には、約10台ほどの水車が活躍していたそうですよ。

ちなみに峯岸家は、江戸時代後期より、五代にわたって野川流域で水車経営に携わってきた農家です。

大沢の里水車経営農家のすぐ脇には、野川が流れていて、野川ハイキングの途中に立ち寄るのもオススメです。

ボランティアガイド（市民解説員）による解説案内も実施していて、より詳しい解説を聞くことができます。

大沢の里水車経営農家ほど多機能ではありませんが、水車小屋があるお出かけスポットとしては、他にも府中市郷土の森博物館や、戸隠そば博物館とんくるりん、県立四季の森公園などがあります。

築200年以上の母屋を見学

こちらは、入口近くにある母屋です。1813年（文化10年）頃に建築されました。

屋根は茅葺の寄棟造りで、屋根裏では蚕を育てて養蚕を行っていました。部屋は4つあって建築面積はおよそ22坪の建物です。

部屋に上がって見学することはできません。中庭の縁側から中を見たり、カッテ側から見たりして見学します。

母屋の隣にはカッテもあり

母屋の裏手にはカッテ（写真）があり、こちらは中に入って見学ができます。

こちらは大正末期に建築されたもので、炊事場跡があり、屋根はトタンで作られています。

水車に使う道具や昔の民具がギッシリ

こちらは、敷地の一番奥まった所にある「物置小屋」です。

水車に使う道具や、生活に使う民具など、所狭しと置かれています。

お米と籾殻を風の力で選別する「唐箕（とうみ）」という道具などは、実際に動かすこともできるんです。

この物置小屋のさらに奥には、土蔵があり、昔の貴重な生活道具が貯蔵・展示されています。

土蔵は実際に中に入って見学することができます。

実際に動いているたくさんの装置を見学

こちらは、新車が展示されている小屋の中の様子です。

小屋の中央に、高さ4.6メートルの大きな水輪があり、その両脇に、水輪の動力を使って可動する杵（きね）と臼（うす）が合計14台取り付けられています。

裏手の方には、石臼を使って小麦を粉にする装置や、石臼から出てきた粉を小麦粉と殻とに選別する ふるい装置。さらには、大麦を砕いて割り麦（押麦）にする装置など、水輪の周りにはたくさんの装置が取り付けられていて、これらは全て水輪の動力を使って自動で動いているというから驚きです。

水の流れと水輪の音の裏で、ドッドッドッという低音が響いていて、とっても活気のある様子を見学できますよ。

精米機などの機械類の展示

こちらの小屋の中には、昔使用していた精米機などの機械類が展示されています。

また、敷地内には、トイレ（男女別）も設置されていますので、小さなお子様を連れたお出かけでも安心ですね。