茅ヶ崎城址公園

解説版で学んだり、広場で遊んだり

横浜市営地下鉄のセンター南駅から徒歩10分のところに茅ヶ崎城址公園はあります。神奈川県には茅ヶ崎市というものがありややこしいですが、こちらも横浜市都筑区の茅ヶ崎という地名になります。

公園の名前の通り、かつては茅ヶ崎城が築かれていた場所になり、建物自体はもう残っていませんが、お城の痕跡がいくつか見られる公園になります。

1990年から発掘調査が行われ、2008年には茅ヶ崎城の歴史を学べる公園としてオープンしました。

公園内の色々なところに解説版が設置されていて、茅ヶ崎城の歴史を詳しく知ることができます。

公園内のかつては中郭、北郭にあたる部分には2箇所の芝生広場があり、家族で遊んだり、レジャーシートを広げてお弁当を食べたりすることもできます。

茅ヶ崎城址公園は中規模の公園で、特に子供向け遊具などはありません。広場で遊んだり、園内をお散歩したりして楽しむことができる公園となっています。

茅ヶ崎城址公園と似たような、神奈川県内の城址に作られた公園としては、小田原城址公園や、大庭城址公園もオススメです。

建物の区画や柱の位置が残されている

茅ヶ崎城は、14世紀末から15世紀前半ごろに建てられたと言われています。

築城当初は東西の2つの郭（くるわ）のみで、2度にわたる大きな改築が行われ、郭は4つ（中郭、北郭、東郭、西郭）になりました。

城主は後北条氏の家臣の座間氏、または深沢備後守という説がありますが、あまりはっきりとはしていません。

天守閣のような大きな建物や石垣はなく、複数の郭（くるわ）が連なる形式で、郭を囲む空堀、郭の外側に築かれる土塁（どるい）などで構成されています。城の出入り口となる虎口（こぐち）跡なども見つかっています。

写真は、中郭の跡がある芝生広場になります。建物の区画や柱の位置などが記されています。広場内にはベンチが設置されています。

ここで用語説明。

※郭（くるわ）とは、城を構成する基本となる部分で、場内の区画のことを指しています。

※空堀とは、堀に水が入っている「水堀」と水が入っていない「空堀」に分けられます。茅ヶ崎城址などの横浜の城では、ローム層が基盤となっていて水が染み込んでしまうので、空堀が多く作られました。

※土塁（どるい）とは、堀を掘った土を盛って築き上げたものを言い、敵を阻止して反撃するときの足がかりとする役割がありました。

※虎口（こぐち）とは、城の出入り口のことを言い、いざというときに、すぐに封鎖できるように、また敵が進入しにくいように、できるだけ幅を狭くして作られています。

芝生広場でのびのび遊べる

こちらも中郭の跡がある芝生広場です。

先ほどの建物の区画や柱の跡のある場所以外は、このように芝生で遊べる広場となっています。かけっこや、ちょっとしたボール遊びなどでしたら、広々と楽しむことができると思います。

高台にあり見晴らしの良い公園

こちらは、かつては北郭があった芝生広場になります。広場内にはベンチが設置されています。さらに、トイレ（多目的トイレあり）と、水飲み場もあります。

先ほどの中郭跡の芝生広場もそうですが、どちらも高台にあるので見晴らしが良く、気持ちよく遊べますよ。（茅ヶ崎城址公園の標高は28〜35メートルです）

かつては、茅ヶ崎城の一番高い所に櫓（やぐら）を設置して、およそ3.5km離れた小机城を望むことができたようです。

小さな子供のお散歩にちょうどいい

こちらは園内の散策路です。

茅ヶ崎城は、東西330メートル、南北200メートル、総面積およそ55,000平方メートルの敷地に建てられたお城です。現在ではその約半分の敷地が公園として整備されています。

散策路の距離もそれほど長くないので、小さな子供がお散歩するにはちょうど良いかもしれませんね。

散策路の途中には所々にベンチも設置されています。

茅ヶ崎城の敷地内では、籠城の備えとして、井戸が掘られたり、食糧になるような植物（果実や栗など）も植えられていたと言われています。井戸の跡は、北郭があった芝生広場のトイレ付近にあります。